mixiのマイミクさんの日記にあった問題提起からヒントを得て、ちょっと考察してみました。
マイミクさんが書いたのは「介護職関連コミュや掲示板に『お勧めレク、ありませんか?』という質問が多いが、自分で考えていないのか?誰のためのレクなのか・・・」という内容です。
私が注目したのは、「レクリエーションとは何か」という点と、「集団レク」という考え方でした。
デイサービス/デイケア/ショートステイ/老健/特養/グループホーム 等々・・・
介護サービスも様々な種類があります。
そして、それぞれの施設種類により、日中の過ごし方も様々でしょう。
一方、個々の利用者の側も、様々な理由でその施設で過ごすことになったわけですが、必ずしも「リハビリ」や運動を求めて来ているわけではありません。
そもそも、介護施設は軍隊や学校ではありませんから、統一した集団行動が必要でもないし、本質的には個々の利用者の希望に合わせた個別の対応をすべきなんですね。
ではなぜ、集団リハレクが行われるのか・・・。そこを考えると答えは見えてきます。
レクリエーション・・・「余暇の過ごし方」とでも訳せばいいのでしょうか。
余暇の過ごし方と言っても、人それぞれ。中には静かに瞑想(妄想?)するのが楽しいという人もいます。
他人には「何が楽しいんだろ?」と思われても、本人が楽しめることならレクリエーションなんです。
逆に、多くの方には「楽しいこと」であっても、人によっては苦痛と感じることもあるわけで・・・。
介護施設で過ごす時間を「楽しい時間にする」ためのレクリエーションですから、本人が嫌がることは勧めることは正しいとは言えません。
ほとんどの利用者が集団レクを楽しんでくれるからといって、ただ一人ぽつんとしている人がいても、無理に誘う必要はないのです。
「リハビリ」目的の「レクリエーション」もありますが、そんなことはどうでもいいのかもしれません。
「どうせやるならリハビリにもなる方がいい」という考えもあるかもしれませんが、それだけに徹してしまうと楽しくない。というより苦痛に繋がり、(通所)拒否に向かうことになります。
「ケアプランを立てなければならない」と難しく考えすぎるから、集団リハレクという選択をしてしまうのです。
ただ、あまり“遊び”を意識しすぎるのも、「馬鹿にされている」と感じる利用者や家族も出てくるので難しいですね。
うちの父は、デイサービスを仕事場だと意識しています。レクリエーションに参加するわけでもなく、ただ座って(他の利用者を)見ています。義母も義父の付き添いをしている感覚のようです。人の世話をしている(つもりになっている)ことが、本人にとっては充実感を得ることに繋がるのでしょう。 それも広義のレクリエーションと言えるはずです。
仕事をすること、人の役に立つ作業も“楽しみ”だという人もいるわけで、様々な形のレクリエーションを考えてみましょう。
もう一つ、考えたいのは「ではなぜ、集団リハレクが行われるのか・・・」
実は、利用者さん、家族さんの方を向いていないからです。
冒頭のマイミクさんに質問したところ「それは(ぶっちゃけますと) レク加算を頂戴していまして・・・」という答えがありましたが、実際の話、それも答えの一つです。
お金の話を抜きにしても、職員の人数を考えると個別レクだけでは見守りしきれない、間が持たないなどの現場としての理由もありますし、集団レクの方が(介護職側に)「楽しませてあげている」という実感が沸きやすいし、ご家族などにも理解して貰いやすいという点もあげられると思います。
でも、それが通所拒否/入所拒否の要因になっていることもあるということには気づいて欲しいんです。「幼“痴”園」や「姥捨て山」という印象が自尊心を傷つけてしまいます。
介護施設は「竜宮城」でなければいけません。時が経つのを忘れるほど楽しいところ、スーパー銭湯や健康ランドのようにリラックスしてのんびり とした時を過ごすところ、趣味が一致する人と一緒に遊ぶ地域の集会所みたいな楽しみ方のできるところにするのが理想です。
そうやって考えてみると、レクリエーションのバリエーションも考えられるのではないでしょうか?
私がやって欲しいなと思うレクリエーションは、利用者さんの経験や得意分野を活かした、ノウハウ教室。例えば、手先の器用な人を先生にして、日曜大工教室、陶芸教室(もどき)なんかもいいのでは?紙粘土で造形し、乾かしてから着色する…。
農家の方がいるのなら、園芸教室なんかもできるかもしれません。
もう一ひねりして、デジカメで撮影した写真をパソコンで加工して、(架空の)元気に活動する利用者の写真を作ってみるなんてのも楽しいかも・・・。
やり方次第では回想法にも繋がります。
できあがった作品を家に持ち帰ったとき、子供や孫に感心されるような物が作れれば嬉しいと思うのです。
折り紙教室や塗り絵なんかをやっている施設は多いと思いますが、あれでは、持ち帰っても捨てるだけですから、達成感も少ないと思います。
少なくとも「レクリエーション」という言葉に振り回されないでください。
のんびり時を過ごすことも、一人で瞑想に耽るのも「レクリエーション」の一つです。
強制されるのは「レクリエーション」ではありません 。
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