実父の認知症が進み、夜間の失禁が増得ました。そのため、最近では起床時に介護パンツを履き替えさせることが日課となりました。
しかし、デイサービスに通う日は少し事情が違います。
今までなら、デイサービスでの入浴時に新しいものに履き替えさせることにしていたのですが、ほとんど汚れていないものを僅か数時間後に(無条件に)替えさせるのは、さすがに勿体ないし、かといって明らかに失禁しているのにそのまま送り出すこともできません。
そこで、起床時の自宅での交換を原則にして、デイサービスでの入浴時は「(目立った)汚れがなければ交換不要」ということにしました。(丸一日履いた介護パンツには、ほぼ確実に尿漏れがありますので、朝交換していない場合は入浴時に交換して貰えることになります)
ところが、つい先日、こんな事がありました。
起床時、いつものように失禁(夜尿症)があったので、グッショリ濡れた紙パンツを交換。その後、通常どおりデイサービスへ送り出しました。
この時、持たせた紙パンツは2枚。それまでは日中の失禁はほとんどないことから、足りないことがないように適度に補充するだけで使用枚数のチェックはしていなかったのですが、デイサービスで指示どおりに交換して貰えているかどうかを確認したいという意味もあって、2枚だけ持たせることにしたのです。
この日の昼食時、私は、Aデイサービスを(突発)訪問しました。デイサービス事業所訪問は、以前から1ヶ月に1回ぐらいの頻度で行っており、本人のデイサービスでの行動を観察させて貰うことと職員との情報交換を行うことが目的です。
今回は、昼食時の食べ方や咽せ方を見たかったことと、来月からデイサービスセンターKに移動となるサービス提供責任者と事前に話をしておきたかったからです。(この方、以前転任してきた当時に数回会話しただけで、その後は私が訪問してもお話しする機会がほとんどありませんでした)
Aデイサービスに着き、この方とお話しをしながら昼食の様子を観察していたときのことです。食後、父をトイレ誘導した時、便失禁があったようです。
トイレ誘導した職員は他の職員に(本人の荷物から)介護パンツを持ってきて欲しいと言っていたので、側にいた私が手渡しました。(その時、すでに1枚目は使用したらしく、2枚目を使ったことは明らかです)
そして夕刻、帰宅した父の連絡帳を見ると、「入浴時に失禁があり、パッドを交換しています」「帰りのトイレ誘導の際、便失禁があり、パッド交換しました」「当施設のパッド2枚使用しました(次回、ご返却ください)」という記述がありました。
えっ!?入浴時にパッド交換?(装着?)入浴は午前中ですから、交換するなら介護パンツのはずです。その後、昼食時までの間にさらに介護パンツも履き替えさせたのでしょうか?
それに、帰宅時にも便失禁??結局、この日は介護パンツ2枚と尿取りパッド2枚、さらに朝自宅で替えたものを加えると介護パンツは3枚消費したことになります。
それほどまでに失禁が増えたのであれば、今後のケアプランも見直す必要も出てきます。
とりあえず、父の介護パンツをチェックしてみると、介護パンツの中にパッドが1枚入れられ、そのどちらも拭き損ねの便がうっすらと付着した程度の軽い汚れがあるだけです。
履いていた介護パンツは昼食後の便失禁時に交換した(持ち込んだ)物ですから、少なくとも「帰りのトイレ誘導の際~」には、便失禁があったとは思えません。
そして、少なくともこの時のパッド装着は不要であったと感じたのです。
それに、「入浴時にパッド交換した」ということは、持ち込んだ1枚目の介護パンツ交換はいつだったのか?そして、どの程度の汚れだったのか?も気に掛かります。
と言うわけで、その後サービス提供責任者に状況説明を求め、事実確認をして貰ったところ、入浴時のパッド交換は介護パンツ交換の記載ミスで、「午後のトイレ誘導で(便失禁のため)2回パッドを使用した」という説明があり、「2回目のパッド交換は必要ありませんでした」と謝罪されました。
私としては消費してしまったパッドについて今さらどうこう言うつもりはありませんが、この話の通りだとすれば、1枚目のパッドも不必要であったことは確かですし、便失禁時の清拭が不十分だったことも間違いありません。
ただ、父はかなり痩せこけてきたので、尻の肉も皺だらけとなり、清拭だけで便失禁を拭い去るにはよほど丁寧に行う必要があるし、十分な人手のないデイサービスに、そこまで求める気もありませんので、「介護パンツに多少便の付着があります」と一言書いてくれれば十分だと考えています。
この一件から、次の通所日には介護パンツ3枚と尿漏れパッド5枚を持たせ、以下の交換基準を書いたメモも付けました。(従来はパッドは一切使用していません)
- 起床時に失禁チェックをしており、明らかな失禁がある場合は交換しています(尿漏れ程度であればそのままにしておきます)
- 毎回、介護パンツ3枚とパッド4枚を持たせますが、入浴時、明らかな失禁がなければ交換不要です。
- 入浴前の段階で失禁があった場合、リハパンの交換が必要なほどの状態でなければ、パッド装着の上、入浴時に新しい介護パンツに交換してください。
- 入浴後の段階で失禁があった場合、少量程度であればそのまま、あるいはパッド装着で、多いようなら介護パンツ交換で対応してください。
- 便の付着については、拭き損ねたものが擦れて付いた程度なら、そのままで構いません。(自宅でタイミングを見て交換します)
- 明らかな便失禁の場合、陰部洗浄ができないのであれば、清拭の上、介護パンツ交換+パッド装着で対応してください。(帰宅後、陰部洗浄します)
ところが、今度は入浴時に介護パンツが汚れていない(一滴の尿漏れもありませんでした)にも関わらず、新しいパッドを1枚追加していました。
これを指摘したところ、今度は「(他に)2枚重ねの人もいるので、(パッドが入っていたから)そうしてしまったようだ」と言います。
介護職にとってはごく当たり前の「介護パンツの中に尿取りパッドを入れる」という行為ですが、果たしてデイサービスで必要なことなのでしょうか?(今回、いろいろとやりとりしていた中で、この点を指摘してみたのですが「2枚重ねの人もいるので勘違いしました」という回答でした)
さて、長い前振りとなってしまいましたが、ここからが本題です。(とくに介護職の方に読んで頂きたいテーマです)
介護の世界では「介護パンツの中に尿取りパッドを重ねる」ことは決して珍しいことではないと思いますが、その必然性はどこにあるのかを考えてみて欲しいのです。
そもそも、介護パンツにしろ尿取りパッドにしろ、「軽い尿漏れ用」から「排尿5~6回分」まで、吸水量の異なるタイプが存在します。履き心地としては、薄いものの方がいいことは間違いない(参照)訳で、2枚重ねが気持ちいいはずがありません。
それに、今の介護パンツの吸収力は凄く、1回ぐらいの排尿では漏れは起こりませんから、便失禁で汚さない限り、少々の尿漏れで交換する必要はありません。
そもそも、日中「介護パンツの中に尿取りパッドを装着させる」ことは、介護者の手抜きなのです。
夜間の熟睡中であれば、無理に起こして排尿させるよりは2枚重ねにすることで、数度の失禁に対応するということも考えられますが、日中であれば排尿リズムを調べ、把握することでタイミング良くトイレ誘導すれば、失禁があったとしても少量で済むはずです。
それでも、介護家族なら「そこまでやっていられない」という理屈は通りますし、職員の手が足りなくなる夜間の入所施設なら、まだ説得力はありますが、日中の数時間、それも複数の介護職が世話をするデイサービスで二重にしなければならない(排尿をコントロールできない)状況が存在すること自体、おかしなことなのです。
また、介護パンツや尿取りパッドは頻繁に替えるのが是でもありません。自治体の補助などで安価(あるいは無料)に入手できるとはいえ、無駄遣いしていい訳ではないのです。
介護サービスの現場にいると、本人持ち込みのものや施設に常備のものなど、介護パンツや尿取りパッドに不足することはないため、安易に消費する介護職も多いのでしょう。
しかし、もう一度考え直してみてください。2枚重ねの是非、そして多少の汚れで交換することが必要なのかと・・・。
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