母の急な容体変化で大活躍したポータブルトイレですが、実は私の愛車が小型のキャンピングカーなので、その中に搭載していた(簡易タイプの)「ポルタポッティ135」を引っ張り出してきました。
簡易タイプとは言え、なかなかの優れもので、水洗式になっています。上部のタンクに入れてある洗浄液で流すのですが、汚物タンクはシャッター式なので臭いも漏れません。
溜まった汚物は、下部のタンクを外してトイレに流すのですが、手を汚すこともない構造ですし、数十回分溜めることができますので、1日や2日ぐらいなら一杯になることもありません。
強いて言えば、私の所有する「ポルタポッティ135」は廉価品のため、水洗ポンプも手動ですし、コンパクト化するためにタンク容量も小さく、座面が低いこと、手すりなどが付いていないことが介護用という目的には合わない部分もありますが、その辺りはちょっとした工夫で解決できます。
トイレへの後付手すりや置き台などを用意すれば、調整できますから。
余談になりますが、キャンピングカー用ポータブルトイレもいつのまにか、介護用品として取り扱われているようで、金額的には2~5万円台と、介護用の家具調ポータブルトイレよりは割安で、使い勝手は悪くありません。
しかし、我が家の場合は、こんな便利なものを持っていたため慌てずに済みましたが、ほとんどの方は持っていませんよね。
ということは、いざ、介護対象の家族が一人でトイレに行くことができない状態になってから慌てても、すぐには間に合わないのです。
そういえば、以前、友人の母親の容体が悪化した時に相談を受け、介護用ポータブルトイレの購入を勧めたことがありましたが、実際に入手するまで数日掛かったことを思い出しました。
あらためて、介護用ポータブルトイレを調べてみると、いろいろありますね。
例えば、左の写真のものは洗浄機能まで付いた家具調の立派なものですが、意外な弱点がありました。それは、排泄物を溜める部分が、単なるバケツだという点です。
主な使用場所というと介護施設になるのですが、用便後直ちに介護職が処理するので問題はありません。
しかし、家庭で使うとなると、少し事情が変わってきます。排泄直後に同居家族などの介護者が処理できるのならいいのですが、家族が外出していたりすると、すぐに処理できないために臭いが部屋に漏れ出てきてしまいます。この対策として消臭剤なども販売されていますが、万全ではありません。
つまり、排泄という主目的に対しては快適な製品ではあるわけですが、事後処理の点では使い勝手が悪いことになるわけです。意外な盲点でしたが、在宅介護で使用するなら、この辺りも考えて製品は選ぶ必要があります。
なお、介護に必要ということになれば、特定福祉用具に該当しますから介護保険での購入補助を受けることが可能なのですが、まだ必要のない時点で購入する時は適用外となるのが悔しいところです。
もっとも、災害時にも役に立つことを考えれば、事前に購入しておいて損はありません。
ところで、これらの本格的なポータブルトイレは、事前に用意しておくというのも難しいでしょうし、置き場所にも困りますよね。
しかし、前述したように「いざという時」のためにも、何らかのポータブルトイレは事前に用意しておきたいものです。
そこでお勧めなのが、簡単な構造の「非常用簡易トイレ」です。
災害対策用商品として販売されているもので、段ボール製の組み立て式になっています。
普段は畳んでおけばまったく邪魔になりませんし、組み立ても簡単です。
組み立て後は、付属する汚物袋をセットし、凝固剤を入れてから使います。
汚物袋と凝固剤は5組程度のセットが添付されているほか、追加購入も可能です。
セット価格も3千円ぐらいですし、いざという時の緊急用と考えれば、一つぐらい用意しておくには手頃でしょう。
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