デイサービスに通うことを楽しみにしている義父はともかく、「そんなところに行かないよ」と言い張る義母を単純に同じ施設に通わせることは無理があります。とりあえず、義父には週2回リハビリと入浴を目的に「H」に通って貰い、月に1~2回、「A」の外出イベントの日に(付き添いと称して)義母にも参加してもらうのが良さそうだという判断から、それぞれに申し込むことにしたところまでは良かったのですが、急転直下、「A」との契約を取りやめることになってしまいました。
施設を訪れ、見学(視察)をしていた段階では、予想以上に活気があり、楽しそうな施設という印象を得ていたデイサービス「A」ですが、いざ契約という段階で、担当者(兼運営責任者)だというNPO法人「G」の理事、Kさんが全てをぶちこわしてくれたのです。
Kさんは、私と同世代の女性で、市議会議員でもあり、昼間は議会を抜けられないので、夕方契約(のための話)をすることになったのですが...。
まず、話し方が悪いですね。いかにも議員のセンセイらしく、人を見下した態度が鼻につきます。まぁ、その辺りは目をつぶるとしても、一番最初に言われたのがケアマネージャーのことです。
「G」では居宅介護支援(ケアマネージャーがケアプランを作成する業務)も行っているので、そこから囲い込みたかったのでしょう。しかし、私はすでにケアマネージャーを決めていますし、ケアプランの作成は実質的に私が行うことにしています。そこで、その旨を伝えたところ、いきなり「まずいですね」というのです。
「まずい」という言葉の真意はすぐに理解できませんでした。何を言いたいのだろうと思いながらも、とりあえず、その話は聞き流し、話を進めていったのですが、イベントについて尋ねた時に、その真意が見えてきました。
「A」の利用は実際には義母のためという点に間違いはないのですが、デイサービスを嫌がる義母を納得させるために、外出を伴うイベントに義父を参加させ、(義母には)それの付き添いと称して参加させようと考えていることを伝え、そのためにも月間スケジュールを事前に知る必要があるので、「毎月、いつ頃までに翌月の予定が決まりますか?」と尋ねると、(面倒くさそうに)「(当月)1日以降です」と言います。せめて、大凡のスケジュールだけでも事前に教えて貰えないかと言っても、「(当月)1日以降でなければ決まりません」と語気を強めます。
しかし、ケアプランを作成するためには、イベントスケジュールは前月中に必要です。なにしろ、介護保険では、施設の利用申し込みは毎月ケアマネージャーが前月中に行うことになっています。それなのに、当月にならなければイベントスケジュールが決まらないのでは、イベントを選んで参加することは難しくなるわけです。
その点を指摘すると「当月になってからでも申し込めますよ。利用者枠が余っていれば、引き受けられます」と突っ慳貪に答えます。まるで、利用しないでくれと言いたげな雰囲気です。
そこで、この高慢ちきなKさんを少し突いてみることにしました。
「お話しを伺っていて、気になる点があります。先ほど“まずい”と言われましたが、どこかに問題がありますか?」と尋ねると、「ケアプラン作成はケアマネージャーの仕事ですから、家族が行うことは越権行為です」と宣います。
しかし、私も父の介護で、介護保険の仕組みは理解しています。必ずしもケアマネージャーと契約する必要もなければ、家族がケアプランを作成することにも問題はありません。まして、実際にケアマネージャーは決定しているので、「A」には、施設として(私がケアマネージャー経由で提出する)ケアプランに沿った利用申し込みを受けてもらうだけで十分なのです。
この点を指摘すると、「私は(市会議員で)市の社会福祉協議会で委員もしています(から詳しい)」と大上段から斬りつけてきました。
さすがに、この言い方には腹が立ちました。以前の私なら机を蹴飛ばして怒鳴るところですが、少しは大人になったのでしょう。(笑) とりあえず、「この施設は職員もいいし、評判も高かったので期待していましたが、管理者、責任者であるあなたの言動は気持ちのいいものではありませんね。印象を悪くしますよ」とたしなめると、ここで彼女の本音が露わになったのです。
「(私を)信用しないなら、無理して利用していただかなくても結構ですよ」というのです。
どうやら、「G」では、(子飼いの)ケアマネージャーが規則的に利用申し込みを行い、その利用人数に応じたイベントを計画するというやり方なんでしょうね。
そこに、「他のケアマネージャーと契約し、(手間の掛かる)外出イベントの日しか参加しない」利用者を持ち込まれても、(儲けに繋がらないので)相手にしたくないのでしょう。
私も、ここまで言われて、義父母を通わせる気は完全に失せてしまいましたが、大人の対応を見せることにしました。
「そうですか。私も、不愉快な気持ちを抑えてまで、こちらに通わせたいとは思いません。残念ですが、契約はしないことにします」と伝え、席を立ったのです。
結果的には、彼女の望みどおり(?)、儲けに繋がらない客を追い払うことに成功したわけですが、当方としては、サービスのいい現場に多少未練があります。いっそのこと、強引に利用申し込みをして、少しでも利益率を下げさせた方が良かったかな?という気もないではありませんが、契約前に(経営者の)正体がわかっただけでも良しとしましょう。
余談ですが、介護サービス事業者は、原則として(定員や送迎エリアなど正当な理由がない限り)利用申し込みに対して拒絶してはいけないことになっています。「信用していただけないなら、無理して利用していただかなくても結構ですよ」という売り言葉には、「こちらからお断りします」という買い言葉が対になりますから、客の申し込みに対して断っていることになります。
つまり、市会議員で社会福祉協議会に関わるほどの方なのに、NPO法人「G」理事のKさんは、やってはいけない客の選択をしていることになるわけです。
まぁ、こんな業者の相手をするだけ無駄です。
次の事業者を捜すことにしましょう。
続く....
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